二億レバ男のレバレッジ運用記録

二億円相当をレバレッジバランスファンドで運用する男の記録

1ページでまとめる二億レバ男の投資方針(ある程度知識がある人向け)

自己紹介

二億レバ男と申します。レバレッジバランスファンドにより二億円相当を運用しております。2024年2月2日現在の金融資産は以下の通り。約8600万円の金融資産にレバレッジをかけ、2億2000万円相当を運用しています。

2024年2月2日時点の金融資産状況

ここでは、私の投資方針を一記事にまとめています。私の投資方針は、

「投資の正解」

1ページで辿りつける投資の正解(ある程度知識がある人向け) - 投資の正解

こちらのブログに記載されている理論に基づいています。本記事タイトルは、こちらのブログ記事をオマージュしております。
なお、私の名前「二億レバ男」は「弐億貯男」氏をオマージュしております。

ここから本題↓

端的に言うと

株式:債券=3:4のポートフォリオに約3倍のレバレッジをかけるのが私の投資方針である。以下では、なぜそこに至ったのかを説明している。

基本思想

現代ポートフォリオ理論に基づき、理論上シャープレシオ最大となる接点ポートフォリオに最適なレバレッジをかけることを目指す。

株式債券比率(接点ポートフォリオの設定)

・リスク資産の時価総額加重平均を接点ポートフォリオとする。
・市場で取引される時価総額の大半を占める株式と債券をリスク資産と捉え、株式と債券の最適な所持比率を考える。
(なお、市場で取引される中で株、債券の次に時価総額が大きいゴールドの時価総額でも株式の十分の一程度)
時価総額のデータから、株式:債券=3:4を最適な所持比率とした。
参考:2023 SIFMA Capital Markets Factbook

レバレッジ比率

・資産推移は対数正規分布に従うと仮定し、株式と債券のパラメータを考える。
対数正規分布における期待値をμ、標準偏差(リスク、ボラティリティ)をσとする。
このとき、中央値をmとすると、m=μ-0.5*σ^2となる。
算術平均リターンをμ、幾何平均リターンをmと捉えても良い。

ここで、現実的に投資可能な商品を勘案し、株式は新興国と先進国(MSCI ACWIインデックス相当)、債券は先進国国債(FTSE世界国債インデックス相当)とした。
参考:JPモルガン超長期市場予測

JPモルガン超長期市場予測等のデータを参考に、株式のσ=20%、債券のσ=10%とした。
また、①株式のμ=7.2%、債券のμ=2.4%とした。このとき、株式のm=5.2%、債券のm=1.9%である。
株式と債券の相関係数を0とすると、このとき、シャープレシオ最大となる投資比率もまた株式:債券=3:4である。

最適レバレッジをLとすると、L=μ/σ^2で求められる。上記の場合、株式のL=1.8、債券のL=2.4である。
株式と債券の相関係数を0としていることから、株式:債券=180%:240%がレバレッジを加味した最適な投資比率である。

実際には
レバレッジをかけるにはコストがかかる
・真にシャープレシオ最大なポートフォリオからは外れている
・パラメータの誤特定
等を加味すると、これよりレバレッジを抑えたほうが良いであろう。

そこで、μを保守的に見積もり、
②やや弱気な見積もり:株式のμ=6%、債券のμ=2%
③弱気な見積もり:株式のμ=5.1%、債券のμ=1.7%
を考える。②の場合、株式:債券=150%:200%、③の場合、株式:債券=127.5%:170%が最適な投資比率となる。私は保守的に③のポートフォリオを目指している。

株式:債券=127.5%:170%のポートフォリオにおいて、σ=30.7%である。また、①の前提でμ=13.3%、m=8.6%、②の前提でμ=11.1%、m=6.3%、③の前提でμ=9.4%、m=4.7%である。②③は弱気なので、私は①のm=8.6%を期待している。


実運用

実際に世界分散されたポートフォリオに低コストでレバレッジをかけられる日本で投資可能な商品は限られる。2024年3月の現状、実質以下の選択肢しかない。

・ゴーゴーバランス 株式:債券:REIT:ゴールド=100%:400%:25%:25%
・地球コンプリート 株式=200%

この2商品において株式:債券=3:4となる配分は、ゴーゴーバランス:地球コンプリート=1:1で持つ場合で、株式:債券=150%:200%となる。
これは②に相当する。これ以上のレバレッジをかけることは現状は実質不可能である。

ゴーゴーバランス:地球コンプリート:オルカン=42.5%:27.5%:30%で持つと、株式:債券=127.5%:170%となり、③に相当する。この辺りのレバレッジ比率を私は運用の目安としている。

地球コンプリートは特定の国が200%中100%、すなわち全体の半分を超えないように運用されている。アメリカはMSCI ACWIインデックス内の割合が現状60%を占めているが、地球コンプリートは半分を占めるにとどまる。そのため、私はS&Pレバ2倍ETFを組み入れることでアメリカの比率を時価総額加重平均に近づけている。地球コンプリートはその他の国のバランスも若干時価総額加重平均から崩れているが調整はしていない。

残念ながらゴーゴーバランスは2029年12月21日に償還されてしまう。償還後は代替手段を考えなければならない。
レバレッジバランスファンドの選択肢が少なすぎるため、今後有用なレバレッジバランスファンドが生まれることを期待する。

再考が必要な場合

現代ポートフォリオ理論では市場が完全であることを前提としている。実際の市場は不完全性が残る。時価総額のバランスが市場が完全な場合と比して著しく崩れてしまっている場合、すなわち行き過ぎたバブルまたは暴落においては、市場の完全性を疑いポートフォリオを是正する必要があろう。また、レバレッジ比率の設定に恣意的なパラメータを置いていることに留意しなければならない。

特に、パラメータμの設定が現実から外れている場合に見直す。具体的には、
株式:5%の株価収益率に相当するPER20倍を世界株式インデックス(MSCI ACWIインデックスなど)が上回る場合、株式のレバレッジ比率の削減を検討する。ただし、PERは過去情報に基づいて算出されるため、将来の株価収益率を加味して5%を見込めるかの判断が必要である。σ=20%の前提を変える必要が無ければ、株価収益率の25倍がレバレッジ上限目安。
債券:利回り2%弱を世界債券インデックス(FTSE世界国債インデックス)が下回る場合、債券のレバレッジ比率の削減を検討する。σ=10%の前提を変える必要が無ければ、債券利回りの100倍がレバレッジ上限目安。
これらは信託報酬などのコストを差し引いた後の実質利回りで考える必要がある。

また、株式と債券が無相関の想定が外れ、正の相関が強くなるとポートフォリオのσが高まる。2022年のような株式と債券が同時に暴落する相場では致命傷を受けかねない。金融引き締め政策には注意が必要。だが、実際のところ資産推移を占うようなもので考慮は困難である。また、外国株式、外国債券は為替の影響で相関が高まってしまう。為替ヘッジを行うのが一案だが、為替ヘッジコストを加味した判断が必要となる。
なお、日本産のレバレッジバランスファンドを用いることで、日本円を証拠金として確保することで為替ヘッジの効果を期待できる。ただ、私の実情としては為替による高相関のリスクを十分に考慮することができていない。